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歯周ケアグッズ

こんにちは。院長の小濱です。

わんちゃん、猫ちゃんの歯周ケアは皆さんされていますか?
お口の中を触られるのが得意な子は少ないので、残念ながらあきらめている方が多いと思います。

でも放っておけば確実に歯周病は進行します。

 

歯周病は歯の病気ではありません。顎の骨の病気です。
進行するといずれ全身へも影響しますし、その原因菌は人畜共通感染症の原因ともなりえます。


同じ子の肉眼所見とレントゲン画像です。
外観を見ても歯茎の後退や歯垢の付き方から、それなりに良くはなさそうなのがわかります。
特に白い〇で囲った部分はレントゲンで見ると歯を中心に顎の骨が溶けて黒く空洞になってます(緑矢印)。

骨は溶けると同時に再生も始まるのですが、顎の下に新たな骨が形成されて膨らんでます(赤矢印)。

 

正直、見た目の歯の汚れはそれほどでもありません。
歯石の量=歯周病の重篤さではないのです。

 

原因となる菌はもちろん歯石の裏にも潜んでますが、そのほとんどが歯周ポケットにいます。

「歯と歯茎のすきま」というやつです。

 

残念ながら歯周病予防には「便利で近道」はありません。

ある程度歯石が付いているようだと、まずは雑菌の住処である歯石歯垢を除去する必要があります。

基本的には全身麻酔で歯石を除去し歯周ポケットまできれいにします。

無麻酔では苦痛が大きく、きれいにならないばかりかその後の歯周ケアに激しく抵抗するようになります。

大事なのはその後のご家庭での日常ケアですから、無理やりは避けたいところです。

 

 

 

歯周病予防には最終的には歯ブラシが必要になってきます。

とくに歯周ポケットは非常に狭い隙間なので人間同様「先細毛」が理想です。

人間用(小児用)でも毛先が柔らかく、ヘッドが小さければ使えます。

ただ、長さやカーブが鼻の長い犬種にはやや物足りないかもしれません。

 

写真の歯ブラシは動物用です。

歯周ポケット用に先細毛が使われているのですが、同時に歯の表面磨き用にフラット毛も植毛されています。

歯周ポケットも歯の表面も同時に磨ける優れものです。


最初にも書いたように、ペットに激しく抵抗されてあきらめてる方は多いと思います。

いきなり歯ブラシはハードルが高いのは確かです。

 

だからと言ってガムには逃げないでくださいね。

まずは歯磨きペーストをおやつ代わりに。 

 

ペーストを舐めさせながら徐々に指で口や歯を触れるようにしてください。

何秒かでかまいませんから、結果を急がないようにしましょう。

そして何より大事なのは、嫌がるまでしないこと。

我慢するのは飼主さんです。

慣れない子は少し触れてたらそこでやめてください。

まだペーストを欲しがるくらいがちょうどいいです。

その代わり、たった数秒でも我慢できたことを褒めてあげてください。

この繰り返しです。

歯ブラシまでの道のりは長いですが、この「じらし」と「報酬」がワンちゃんの我慢を引き出す秘訣です。

 

食後も食前も関係ありません。
時間のある時にほんの数秒から始めてみてくださいね。

当院受付にブラシやペーストも展示してありますので、説明などご希望があれば遠慮なくお申し付けください。