こんにちは。院長の小濱です。
今日は休診日でしたが、たまたま病院で仕事をしていたところ当院裏手の施設の職員さんからお呼びがかかりました。
行ってみると施設の送迎車のグリルの中に鳥の巣が。
巣の中には羽毛も生え揃わない雛が5羽ほど確認できました。
近くにはそわそわとセグロセキレイが様子を伺っていました。
見つけた方もすごいですが、頻繁に使用している車の中でいつの間に巣を作ったのでしょうか??
しかもちゃんと孵化するまで世話ができていたことに驚きです。
ただ、今後のことを考えるとこのままでは双方に危険が生じます。
ひとまず隙間に手を入れ慎重に巣ごと回収しました。
回収した雛たちは幸い元気で、人間の我々にも声をあげて餌を要求しています。
極力雛達には触れず、親鳥に気付いてもらえるよう屋外での巣箱づくりをはじめました。
幸い僕のデスクの周囲は医療器具より大工道具のほうがたくさんあるので材料はすぐ揃います(笑)
僕の記憶ではセキレイは比較的地表近くに巣を作ります。
よくある丸穴の巣箱はあまり好まないでしょうから、簡単な箱型巣箱です。
設置場所は地面近くは適当な場所は病院周囲にないので、仕方なく裏の庇のに設置しました。
明日から台風らしいのでちょうどいいですね。
完成した巣箱に巣ごと雛達を収めました。
あとは息を潜めて親鳥に気付いてもらうのを待つのみです。
1日以上親鳥が来なければ、人工飼育をする判断もしなければいけません(本来は必要以上に介入するべきではないのですが…。冷蔵庫にミルワームをたくさんストックするのもあまりスタッフ受け良くないですし…)。
外で見ているわけにも行かないので、入院用のカメラを設置してしばらく様子を見ることにしました。
しばらく親鳥は元の車の下を出たり入ったり…なかなか気付いてはもらえませんでした。
しかし、約時間ほど…ようやく雛の声に気づいて親鳥がやってきました!
その後も5分おきくらいに餌を運び込む親鳥。
日が沈むまで続きました。
5羽ですものね。大変でしょう。
ひとまずは安心です。
この先は人が手を出す領域ではないので、巣立ちまではそっとしておこうと思います。
できれば職員出入り口なので、糞害は最小限にしてほしいですが…。
ちなみにですが、基本的には野生動物の保護はむやみにしないでくださいね。
特に鳥は保護してしまう方も多いですが、中には巣立ちの練習中に誘拐してしまってるケースもあります。
生まれて間もない雛の場合は巣がわかるなら、ひとまず戻してみてください。
カラスに襲われてたから…はカラスも生き物ですから。
車や窓ガラスに衝突した、紐や人工物が体に絡みついてるなど人工的な被害は我々が手を施す義務があると思います。
境界線は難しいですが、保護すべきかどうかはひとまずご相談いただければと思います。